◎被災者から見れば東日本大菅災

実際に現場の悲惨な状況を目の当たりにした地元の方とmangadayoさんとの間でこんなコメントが交わされている…

「また振り返って思います。マスコミに報道されず全国の人々が知らないのであれば、我々はインターネットを通してもっとうったえるべきだった、無視されたり冷たい反応があってもめげずに声を大にすべきだったと」

「『後悔する事のない過去』を作り上げる事は誰にとっても至難な事です。大切なのは『これからどうするのか』だと思います。今回の絵は『過去のもの』でも『未来のもの』でもありません。今、起きている現実なのです。私達は被災者の方達のために『何が出来るのか』をもう一度考えなければならないのではないでしょうか」

このおふたりのレスポンスがすべててを語っている。多少の不便を強いられただけで今まで通りの生活を送っているわたたちのやるべきことがはっきりと見えてくる。孫さんのように私財を寄付できるだけの財力はない。ボランティアとして現場で瓦礫除去のお手伝いをするだけの意気地もない。

こんなわたしたちにとってやるべきこと、それはこの酸鼻を極める大天災を無能無策の政策のためにここまで深刻化させて人災化させてしまった張本人の責任をネット上で追及し拡散する、ということだ。

天災は防げなくても、被害を最小限に助かる命をひとつでも救うことはできたはず…この菅災の責任は断固とらせなくてはならない。有害無益な権力者を監視し批判するのは弱者の特権だ。

もう既に菅の頭の中から「被災者」という単語は完全にオミットされているだろう。いま頭の中にあるのは今だから使える権力の濫用による己の身の安全確保。それは?政治資金規正法違反で立件され、公民権を失う可能性がある?天災を人災化させた菅災の責任を厳しく追及される恐れがある…だから、本来なら震災復興政策の決定と実施のために国会会期を大幅に延長しなくてはならないはずなのに、追求回避のために国会を閉じようとしている。

だから、いまなお被災地で劣悪な環境に苦しめられている国民のことなんざかまってる暇はないのだ。恐らくあの「お盆までには…」という約束も守られないだろう。いまごろはきっとフランスで喰うつもりにしているであろう生牡蠣の夢でも見て涎を垂らしているのだろう。苦しむ国民を他人事扱いする凶人は金輪際要らない。

日本が日本でなくなってしまった・あの日以来、実に2ヶ月半近くが経過しているのに明確で具体的な復興計画は一向に明らかにされず、唯一存在してるのは「会議をつくればお仕事完了」だと思いこんでる永田町の大瓦礫が乱立させた20以上もの会議。そして次から次へと暴露される原発絡みの隠蔽情報…いくら会議を設立しても被災者にとってはなんの意味もないただの国家的お役所仕事に過ぎない。現実はちっとも改善されていないのだ。本来、先頭に立って文字通り生死を懸けて一心不乱に具体的復興計画を推進しなければならない松本防災担当大臣からは一言のメッセージすらない。

片や、復興構想会議の五百旗頭議長に至っては大瓦礫を馬鹿呼ばわりする始末…もっとも、それは事実だが…挙げ句に国会を延長せずに閉めてしまおうとしている。どう考えても異常としか表現しようのない復興対策対応の責任は、もちろんあの独裁者気取りにある。もはや、残された時間は殆どない。苦しみつづける被災者の、傷ついた日本の未来を確実に救えるひとが復興計画の先頭に立つべきだ。

いまこそ、ネットを最大限に活用して「いま、わたしたちができること、すべきこと」をより強力に推進していくべきだ。そして、今度こそ被災者のことを最優先で考えることができるひと…換言すると「いま最優先すべきことはなにか」を即断・実行できるひとを選ぶ責任がわたしたちにはあるはずだ。

ここに転載した画像の多くは震災直後もしくは震災後1週間程度経った過去のものだが、現在も恐らくそれほど変化していないだろう。そして、殆どの現実はメジャー・メディアが取りあげなかったものばかりだ。逆に言えば説得力がありすぎて取りあげられなかったのだろう。そもそも、これも間違った考えかたで、真の画像情報は生のまま伝えてこそ意味がある。その善し悪しを判断するのは読者…閲覧者であってメディアのスタッフでは決してないのだから。

以下に西岡参議院議長の明快至極な記者会見のテープ起こし全文をそのまま引用する。議長の答弁は一字一句に至るまでわたしたち弱者の怒りを見事に代弁してくれている。立場さえも超越して己の信念を強力に発信する政治家はいまだかつてひとりもいなかったのではないか。わたしたちは非力だったけれども、ここにきてとてつもなく大きな力を手に入れた。



産経新聞政治部首相官邸キャップ 
阿比留瑠比記者「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」より引用

(前略)
三権の長にここまでいわれて平気で居座る菅首相もたいしたものですが、西岡氏の舌鋒も確信と鋭さに満ちています。5月19日の記者会見でのやりとりを、原川貴郎記者がテープ起こししてくれているので、ここで紹介します。あれこれ付け加える必要がないほど面白い。深い共感を覚えます。

記者:参議院の長が総理の進退に言及するのは極めて異例だが、(読売への)寄稿の真意は

西岡氏:まあ、あそこに書いてある通りですね。

記者:この寄稿は参院議長西岡武夫として?

西岡氏:そうです

記者:政治家西岡武夫ではなくて参院議長?

西岡氏:よく、事柄は違いますけども、総理大臣がたとえば、靖国神社に参拝するときに、総理大臣ではなくという分け方をされた方もおられましたよね。私は、そういう分け方っておかしいと思ってますから。私が発言するときはいつも参院議長という自覚の下でやっております。

記者:そうすると参院としてのメッセージと受け止められる

西岡氏:いや、それは別に院議をもってではありませんから。参院議長としての見解でございますから。

記者:いろいろ書かれた中で端的に言えば、菅総理の何がダメなのか

西岡氏:全部ですね。だって今日の衆議院のあれ(本会議の質疑)、ご覧になっててもおわかりでしょ。答弁しないじゃないですか。復興構想会議の答えを待ってから、何のために内閣があるんですか。おかしいでしょ。

記者:以前から菅さんの問題点を指摘されているが

西岡氏:あそこ(読売)に書いてあるように尖閣諸島について(中国漁船衝突事件)ですねえ、政治が逃げたと。検察に押しつけて逃げたと。これはもう、極めつけでしたね、初めっから。

記者:今までも菅政権を批判してきたが、なぜこのタイミングで寄稿したのか

西岡氏:実はサミットがありますね。そういうこととか、G8とか、G7とかという国際的な会議に(首相が)お出になるにあたって、やっぱり、我が国が、特に原発の問題、事故を起こしたと。そのあとに開かれる国際会議、かなり重たい国際会議ですから。その前に、きちんとした日本の状況とこれからの方針を語れる総理大臣に行ってもらいたいと。そういう気持ちでございます。だからこの時期だったんです。

記者:この寄稿は直接菅さんや官邸に届けているのか

西岡氏:はい。届けております。昨日の18:30。

記者:何らかの返答は?

西岡氏:まったくありません。

記者:菅さんが今日国会でも、退陣する考えはないと改めて表明しているが、これに対してどう思うか

西岡氏:まあそれは菅さんはなかなか、いま政権の座にしがみついて権力を手放さないと。そういうご性格だろうと思すね。

記者:この後、議長として議長の主張を通すために、どういった行動をしていく考えか

西岡氏:そうですねえ。まあ、私として今、この段階でできることは、ほぼやったわけですね。これ以上はなかなか私の手は及ばない。特に総理大臣に対するだめだということについてはもちろん、参議院でも問責というような話もちらほら出ておりますけれども、一義的には他の国務大臣とは違いますから、内閣首班ですから。衆議院でどうされるのか、私がマスコミを通じて私の考え方を述べたことによって、いささかでも、心ある同僚議員の皆さん方がこれではいけないという行動を起こされるというきっかけになればと思っております。

記者:同僚議員というのは与野党問わず?

西岡氏:そうですね

記者:総理退陣には内閣不信任案しかないが、内閣不信任案についていつごろどういった結果が、どういった段階で出るべきだと思われるか

西岡氏:これは衆院のことですから、私も参院議長という立場でございますから、そこはこれ以上は踏み込んで申し上げるのは衆院に対して問題があると思いますから、これ以上は言及をいたしません。

記者:北沢俊美防衛大臣が今日の衆院安全保障委員会で、(西岡氏は)一方的に話していると批判したが、感想や反論はあるか?

西岡氏:まあ、それは外務大臣もなんかおっしゃったというふうに聞いておりますけども、それはそれぞれの閣僚としておっしゃったのかという分類はできませんから。政治家の皆さん方がそれぞれの立場でお考えになっていることであって、私からいろいろと申し上げることではありませんが、防衛大臣がおっしゃるのは、寄稿文の中にも書いておりますように、国家安全保障会議を開かないで、10万という自衛隊のだいたい4割ぐらいの隊員をどういう理由であれ動かすということについて特に今回の東日本大震災、これは自衛隊の大変なご努力をいただいているわけですけども、これについてはやっぱり会議を開くべきだあったと。その当事者の大臣からそういうお話をいただくのは、私としては意外ですね。会議を求めるべき立場だったんじゃないでしょうかね、総理に対して。

記者:議長が菅総理に不満を募らせたのは、諫早湾干拓事業のときに上告しなかったことからかと思ったが、参院の議長としてそういうことをあえて口にされるのは?

西岡氏:諫早干拓なんて、そういうなんといいましょうか、これも国策ですから、それがどうだってことじゃないんですけど、今度の私のことはいささかの関係もないですから、それは混同してもらっては困ります。

記者:今後参院で首相問責決議案が可決された場合、議長が本会議のベルを押さないということは考えられるのか

西岡氏:は?

記者:本会議を開かないという選択肢も考えられるか

西岡氏:それはその、まだ通ってないんですよ。通ってないですからね。出てもいないですから。

記者:出たら考えると?

西岡氏:それは、こういう問題というのは、この間の子ども手当の問題のときも、事務総長と二人本会議場でまったくわからなかったわけですね、可否同数になると。そこで決めるわけですからね。それを今から想定するということは、どうでしょうか。

記者:憲法上は総理に解散権という防御措置があるが、参院にはそれがない。この憲法上の問題はどう考えるか

西岡氏:これは私が、国会議員として、また参院議長という立場で、現状を見るに見かねて書いたわけでございますから、もちろん、私が全責任がございます。これについて同僚の議員の皆さん方が、党派、どの党派ということではなくて、西岡の発言はけしからんということであれば具体的なことになるでしょうから。

記者:具体的にというのは、議長不信任案が出るとか

西岡氏:まあ、そういうこともあるのでしょうかね。もしも、私が言っていることが間違っているなら。しかし、私は間違ってないと思いますね。私は。ま、だからこそ書いたんですけど。まあ書いてないこともたくさんありますから。それは、なんでもかんでも全部、洗いざらいすればいいっていうもんじゃありませんから、私もある程度、筆を抑えてといいますか、この頃はパソコンで私も書いてますから、キーボードを押すのを抑えて。書いてないこともありますから。もっと皆さん方が聞かれたら、えーって思われるようなこともあるんですよ。だけど、それはこの場では申し上げません。

記者:改めて総理に不満が募られた発端は

西岡氏:不満じゃないですよ。冗談じゃないですよ。怒りですよ。

記者:その発端は?

西岡氏:尖閣以来ですね。ずっと。今度の東日本大震災については初めっから私、怒っているんですよ。3月13日に定例の記者会見があったんですよね。そこで私は福島の、東電福島の原発が、言葉はそういう言葉を使わなかったが、メルトダウン起こしているんじゃないかという趣旨のことを13日に述べているんです。で、皆さん方には書いていただけなかったけれども、結局、そうだったわけでしょ。何日か前にわかったわけですね。そういうこともぜひ思い起こしていただきたい。

記者:議長の発言に対して、民主党の一部議員から越権行為だという指摘も出ているが、そういう指摘に対してはどのように

西岡氏:私に直接にだれも言ってきませんよ。それはやっぱり何といいますか、直接おっしゃらなければ。

記者:菅政権が発足してからまもなく1年になるが、菅内閣を評価するとどうですか

西岡氏:…ないですねえ。(評価する点)残念ながら。

記者:批判でも結構です。批評。

西岡氏:批評はもうずっとしてまいりましたから。結局、さっきもどなたかと話していたんですけどね、菅さんの年代ですから、デジタル時代の世代ではないんだけれども、菅さんの思考というのは何かこう、デジタル的にポンポンポンとものごとに反応されて、アナログというといかにも古いように思われるけれども、連続性がわからないんですね。針の連続性が。私なんか、最近はあんまり街頭演説はしないけれども、演説してて、針の動き方で自分がどれぐらいしゃべっているかわかるんですね。デジタルだと、ポンと飛ぶわけだから、時間の調整が効かないところがあって、アナログが使っているわけですね。ところが菅さんは、私その話してたら、その方はこんなん言われましたね。テレビゲームみたいに、ポーンと出てきたのをポーンとうつとかね、そういうタイプじゃないか。それはやっぱりちょっと総理大臣としてどうだろうかなという思いですね。敢えていえば。

記者:そこまで酷評される総理大臣に「辞めろ」と言わない民主党議員は菅さんと同レベルか

西岡氏:いや、そうは思いません。やっぱり民主党の議員で。自分の党が政権をとって、そこから少なくとも代表として選んで、その方が内閣総理大臣になっているわけです。それはなかなか言えないでしょうね。言いたくても。だけどもう、日本はですねえ、やっぱり昭和20年の8月15日、今回の平成23年の3月11日、大きな区切りなんですね。私はそう思うんですね。ここでこれからの政治をどう、日本の政治をどう展望するかということを総理が、もう2カ月過ぎているんですから、語らなければいけない。と私は思っているんですね。審議会とか構想会議はいいんですよ。総理の考えを示してくれればいいんですよ、それが私の考えと違っていても、仮に。

記者:国際会議で、これから方針を示す総理に言ってもらいたいということだが、どなたか念頭になるのか

西岡氏:いいえ、それはまったくありません。(了)

●photo:Yasuyoshi Chiba AFP Getty Images

「もし気まぐれで菅がここを訪れていたら同音異義の視察が行われたかもしれない」

●photo:Yasuyoshi Chiba AFP Getty Images

「この惨い現実から逃れることはできないし、決して逃れてはならない」

東日本大震災原発20キロ圏内を徘徊する牛やペットの群れ「見す見す牛を殺してしまった…」からお借りしました

「無能政治はもの言えぬ幾多の命すら助ける努力を放棄して見捨てた」

津波に襲われ、幹をヘシ折られても花を咲かせる岩手県大船渡港近くにある桜(文・写真=村上隆保氏)

「幹を折られて辛いし痛くて堪らないけど、それでも、わたしを楽しみにしてくれているみなさんのために一所懸命咲きました…そんな健気な声が聞こえる」

●日本を助けてください 産経ニュースより

「どんなに優れたスピーチ・ライターも、このシズル感には到底敵わない」

● 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
「いみじくも偶然が諸悪の根源の近未来を物語っている」

そもそも、このkan-FOOL-blogはmangadayoさんという稀代の表現技術者に魅せられ、触発され、彼をささやかながらも応援することを目的にActiblogで2ヶ月前に開設されました。システム上の不備が作業をスポイルしはじめたためこちらへ移りました。現在でも当初の目的は基本的にそのままですが、時間が経つにつれ環境も大きく変化し、西岡議長というかつてない強力で大きな希望も顕れました。こんな背景からトップページを再構築し、新たな気持ちで政権監視と批判をつづけていきます。

なにぶん、たかだか尖閣以来の俄仕込み政権批判ですから、勉強不足や勘違いによる不適切な表現も多々見られるかも知れません。これからも今まで以上に情報選択精度の向上に努め、記事に反映させていきたいと考えています。言い訳じみますが、どうか、この背景をご理解いただき、ご意見やお叱りのコメントがいただければ嬉しく思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ご訪問、どうもありがとうございました。

●絵はすべてmangadayoさんからお借りしています